栗の木通信

料理研究家・横山タカ子さん×桜井甘精堂 社長・桜井 昌季 対談2

2013年06月25日 
◆対談1のつづき◆

地元の人々がなごみ
旅の方々が安らぐ、そんな食の場をめざして


桜井◆小布施の古い民家・高津屋敷を改修して、旧泉石亭をオープンしたのは今から25年前です。

横山◆栗菓子店がそば屋を始めたと、ずいぶん話題になりましたね。でも、本物の味わいが定着し、小布施に観光に訪れる方々にも、また、地元や近隣の皆さんにも、愛されて歴史を刻んでこられたのですね。

桜井◆泉石亭は基本的に大衆に合わせた料理店です。メインとするのはあくまでも地元のお客様。もちろん観光客のご利用も非常に多いのですが、観光の方々のニーズに照準を合わせるのではなく、地元の方々がお客様をご案内したり、ご家族で繰り返しご来店になったり、安心してお食事を楽しんでいただける店をめざしてきました。
 その点は、新店にも引き継いでいきます。地元の皆さんがハレの日の食事の場として愛してくださるような店にしていきたいですね。その料理を考える時、思い浮かんだのが横山先生でした。

横山◆思い出してくださって光栄です。

桜井◆信州は良質で味わい深い食材の宝庫です。にもかかわらず、実際のところ、新鮮な地元産のおいしい野菜をおいしく食べさせる店が少ないと、いろいろな方々が嘆かれる声を耳にしてきました。

横山◆同感ですね。

桜井◆新たにオープンする泉石亭は、そんな店になりたいと思っています。きらびやかでなくてもいい。地元の人が心なごみ、遠来の人が食べても心安らぐ料理。素材をきちんと料理しておいしく味わえる料理。
そんな献立を検討してくださる人は、横山先生しかいないと。

横山◆まあ、恐れ多いことです。
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桜井◆横山先生の料理は、たとえていうならホテルのスイートルームではなく、実家のこたつ。華やかさという点では弱いかもしれませんが、ホッとくつろげて、うれしさ、安らかさを心から感じる、そんな印象がありました。

横山◆ありがとうございます。信州のすばらしい素材をたっぷり使って、ご期待にお応えしたいと思います。
 「あそこへ行けば安心」と思って来店してくださり、食べて満足していただける...泉石亭さんのそんな存在感をお手伝いできることを、心からうれしく思います。

桜井◆お客様が「また来たい」と思ってくださり、実際に、また来ていただけるような店にするには、「しあわせ」を感じられる空間と、味わいが不可欠です。建物に関しては、高津邸の風情を生かして、懐かしさと心地よさが息づく空間づくりを進めています。一方の料理も、横山先生のご指導で、具体的な方向が定まってきました。期待が高まりますよ。

3へつづく
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